※写真はイメージです
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 マイナンバーカードのトラブルが頻発している。コンビニの証明書取得サービスで他人の住民票の写しが交付されたり、マイナンバーカードと一体化された健康保険証「マイナ保険証」に別人の情報がひもづけられたり、ゴタゴタ続きだ。そんななか、マイナンバーカードの機能が、5月11日からAndroid端末のスマートフォンで使えるようになった。トラブルが重なり不安を覚える人もいるかもしれないが、一方で便利になることも多い。それだけに日本国内では利用者が多いiPhoneへの実装も期待されるが、今後、どうなるのか。

※前編<<トラブル続きの「マイナンバーカード」スマホで利用開始に「不安」の声も 紛失、売却で知っておきたいこと>>から続く

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<マイナカード、iPhoneはまだなんだ>

<スマホにマイナカードの件、iPhoneはまだなのか>

 Android端末のスマホでマイナンバーカードの機能が使えるようになると、SNSではこんな声も見られた。そう、日本国内で利用比率が高いiPhoneには、まだ実装されていない。

 そもそも、なぜAndroidだったのか。

 マイナンバーカードの「スマホ用電子証明書」に対応している機種はXperiaやGoogle Pixel、Galaxyなど約220機種に及ぶ。スマホ側に必要な要件は後述する「NFC Type-B」に対応し、「GP-SE(Global Platform Secure Element)」と呼ばれる、スマホの秘密鍵の格納領域にあたるチップを搭載している点だ。2019年以降の機種であればおおむね対応していると考えていいだろう。

日本のタッチ決済技術力

「NFC Type-B」というのはタッチ型ICカードの規格のことで、「Type-B」は「Type-A」とともに世界で広く使われている規格だ。世界に遅れて近年国内でも普及を始めているクレジットカードのタッチ決済もこの「Type-A」と「Type-B」が使われている。企業の入館証などにも、この規格が使われていることが多い。

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岸田首相も「前のめり」