そして今年4月。第2子の産休明けのタイミングで、突如として、SNSを始めた柳原。これまで一切明かさなかった第1子について、脳性まひを患っていることを告白したのだ。近年、露出が減っていたのは、実は障がいのある長女の子育てに追われていたということだったようだ。

「障がいのある子どもを持つ芸能人は、公表する際に改まって告白するというパターンが多い。しかし柳原の場合、ファッションやメイク、番組宣伝などと同様に、日常の話題の一つとしてサラッと公表しました。その辺りのバランス感覚はさすがです。前向きで明るい、柳原らしいスタンスで子育てに臨んでいることが伝わってくる投稿内容で、重く改まった形で公表しなかったことがよかったのかもしれません。子ども用車いすや座位の維持が難しい子ども用のチャイルドシートについてなど、障がいのある子を持つ親ならではの発信もあり、同じ悩みを持つ親への情報発信にも積極的です。かつてのものまね芸は卒業し、今後は明るいキャラのマルチタレントとして再出発していくのではないでしょうか」(女性誌ライター)

 子どもの症状を公表せず従来の活動を続けようとするわけでもなく、公表して講演や著述業といった活動に軸足を移すわけでもない。タレントとしての活動も、障がいのある子どもの子育ても、同じ熱量で自然に取り組んでいく──そんな姿に、柳原の好感度は爆上がり中で、インスタのフォロワーは開設2週間ほどで20万人に上る勢いだ。

 芸能ジャーナリストの平田昇二氏は柳原についてこう述べる。

「柳原さんはカリスマショップ店員や美容師、OL、学生などに扮した一人芝居でブレークしました。鋭い観察眼や巧みな表現力により、演じるキャラクターは個性的である一方、リアルさに富んでいて、同世代の女性を中心に多くの視聴者から共感を得ました。これまでのキャリアによって培われたこうした下地があることに加えて、SNSでは障がいのあるお子さんのことも含めて家族とのふれあいや日常を自然体で前向きに発信することで、子育て世代や同じような境遇の人たちの支持を集めているのでしょう。第2子の産休が明けた今、これからますます存在感を増していきそうです」

 日本全体に停滞感が漂う今、柳原のポジティブさは再び世間に求められそうだ。

(雛里美和)

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雛里美和

雛里美和

ライター。新宿・十二社生まれの氷河期世代。語学系出版社から邦ロックシーンを牽引するライブエージェント(イベンター)を経て、独立。教育からエンタメまで幅広い分野で活動する。

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