柳原可奈子
柳原可奈子

 2000年代後半、ギャルショップ店員などのものまね芸で人気を博した柳原可奈子(37)。だが、10年代は体調を崩したり、私生活では結婚したりしたこともあり、しばらくはテレビでの露出は激減していた。そんな柳原が突然インスタグラムを開設したと報じられたのは、4月下旬のこと。同時に、3歳の長女に脳性まひがあると公表したことで、世間を驚かせた。

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 テレビ情報誌の編集者は柳原をこう評価する。

「ものまね芸人としての観察眼やスキルの高さ、題材選びのセンスなどは、友近など実力派女性芸人たちからも高く評価されています。従来の女性芸人は、男性以上に体を張って笑いを取りにいくなど、自虐的な芸が主流でしたが、柳原の笑いは女性を売りにすることもなく、卑下することもなく、新しい『女性ならではの笑い』を成立させました。芸風はシニカルで毒を含むものでありながら、タレントとしてはひたすら明るく、朗らかなキャラクターが売りです。仕事に合わせて2つの顔を使い分けるクレバーさがあります」

 柳原といえば、お色気という視点からではなく「かわいい自分」を全肯定するスタイルも特徴的だ。今では渡辺直美やバービーなど、「ボディーポジティブ」的なスタンスで注目される女性芸人も増えてきたが、その流れをつくったのは柳原だという声もある。

「子ども時代は経済的に恵まれてはいなかったものの、両親の仲もよく、愛情に満ちた家庭で育ってきたようです。19歳で母親を亡くしていますが、彼女の自己肯定感の高さは、両親や同居していた祖母から受けたたくさんの愛情のたまものかもしれません」(同)

 一方、近年はテレビから遠ざかっていた。まず13年に最愛の父親を亡くしたことで心労のあまり体調を崩して入院。番組で涙を流すシーンが話題となった。その後も結婚や妊娠・出産など大きなライフイベントが続き、芸人としては表舞台に出てくることはめっきり減っていた。

「15年にはバラエティー番組で『ナナメ目線を求められることに疲れちゃった』と吐露し、芸風の核となっていた“闇”の部分を求められることが重荷になっていると明かしていました。この辺りから、自らの中にあった“縛り“や“やっかみ”のようなものを捨て去り、より自然体で生きることを志向するようになったのかもしれません」(同)

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雛里美和

雛里美和

ライター。新宿・十二社生まれの氷河期世代。語学系出版社から邦ロックシーンを牽引するライブエージェント(イベンター)を経て、独立。教育からエンタメまで幅広い分野で活動する。

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