(写真はイメージ/GettyImages)
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今年は早くも4月に夏日を記録。気温の上昇とともに気になるのが自分の体型だ。そんな季節になると「ダイエットしなきゃ」が口ぐせの人こそ知ってほしいのは「なぜ太るか」ということ。『今さら聞けない 人体の超基本』(朝日新聞出版)から、ダイエットの基本中の基本を紹介する。

【表】「子どもと遊ぶ」と「野球」は実は同じ強度!身体活動・運動の強度METs一覧表

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■エネルギーの消費よりも摂取が多いのが原因

肥満とは、体脂肪が過剰に蓄積し、体重が増えた状態のことです。体脂肪の蓄積は、食べすぎや運動不足などを原因にして、摂取エネルギー量が過剰になることで引き起こされます。

私たちが毎日、食事で摂取しているエネルギー量が、生命維持やエネルギーや活動・運動などで消費されるエネルギー量よりも多いと、摂取エネルギーが余り、体脂肪として蓄積されるのです。

これらの摂取・消費エネルギーは、カロリーという単位で示されます。カロリーは、脳や内臓などを動かし、活動するために必要なエネルギー量(熱量)のことで、1日に必要な摂取カロリー量は、年齢や性別、活動量により異なります。

イラスト/秋葉あきこ
イラスト/秋葉あきこ

では、消費エネルギーはどうやったら増やせるのか?

■日常生活の動きを増やせばエネルギーは増える

ヒトがエネルギーを消費する活動は、基礎代謝、食事誘発性熱産生、身体活動代謝の3つに分けられます。

この中で、毎日の消費エネルギー量を左右し、ライフスタイルや運動習慣によって消費エネルギー量を変えられるのが身体活動代謝です。

身体活動代謝は、運動によるものと、仕事や家事などの日常生活活動によるものに分けられます。

近年では、後者の日常生活活動によるエネルギー消費が、無理なく消費エネルギー量を増やすものとして注目され、日常生活で立ったり歩いたりする時間を多くすることが、肥満予防や運動不足の解消につながると考えられています。

■1日の消費エネルギーの6割が基礎代謝

ヒトが消費する3つのエネルギーの割合を見てみると、基礎代謝が大半を占めていることがわかります。ただし個人差があり、身体活動レベルによっても異なります。

イラスト/秋葉あきこ
イラスト/秋葉あきこ

〇身体活動代謝

歩行や家事、運動などで身体を動かすことで行われるエネルギー消費活動のこと。中でももっともエネルギーを消費するのは有酸素運動です。

〇食事誘発性熱産生

食べものの消化・吸収の過程で、エネルギーの一部が熱となって消費されます。タンパク質の消化・吸収にもっともエネルギーを使います。

〇基礎代謝

呼吸や体温調整など、生命維持に必要なエネルギー消費活動。24時間、無意識のうちにエネルギー消費が行われています。

■身体活動・運動の強度を表すMETsとは

METs(Metabolic equivalents)とは、さまざまな活動・運動が、安静時を1としたときと比較して何倍のエネルギーを消費するかを示した単位です。

表にある通り、掃除機をかける、子どもと遊ぶ、といったことも、安静時に比べて3.5~4倍のエネルギーを消費しています。できるところから消費エネルギーを増やして、やせる身体づくりを始めてみては。

(構成 生活・文化編集部 上原千穂)