「藤浪は全力投球をすると抜け球が多くなるので、現時点では1球ずつしっかり投げることが重要。それだと2~3回を投げ切るのが精一杯で、それ以降は相手打線に捕まる確率が高まる。先発よりも中継ぎの方が適性があると思える」(在米スポーツライター)

「現場は中継ぎの適性を見出しているはず。しかし契約に、先発起用という条件が組み込まれている可能性もある。藤浪本人が先発にこだわりが強いと言われており、敏腕代理人のスコット・ボラス氏ならそこまでやりかねない。そうなった場合、先発で結果を残せなければマイナー降格が現実味を帯びてくる」(MLBアジア地区担当スカウト)

 年俸の面では阪神に在籍していた2022年シーズンの4900万円から325万ドル(約4億3000万円)プラス出来高と大幅にアップ。すでに金銭面では成功を収めたと呼べるが、メジャーであまりにも苦戦するようだと今後のキャリアにも大きく影を落とす可能性もあるという。

「MLBが好景気とはいえ、藤浪の年俸には驚きが多い。メジャートップからマイナーまで、多くの選手を抱えるボラス氏だからこそ可能な契約という声もある。複数選手でのグロス(抱き合わせ)で条件を上げるのは常套手段。その場合、1年契約が切れた来年以降の交渉に影響する可能性は大きい」(大手マネージメント会社関係者)

「試合中の崩れ方が阪神時代と変わらない。見方によっては成長を感じないので、MLBからNPB復帰というのも現時点ではハードルが高いレベル。覚悟を持って渡米したはずだから、何とか頑張って米国で投げ続けて欲しい」(在京球団編成担当)

 早くも壁にぶつかり厳しい状況ではあるが、まだ登板したのは2試合のみ。これからの登板に向け、わずかであるが“光”もあるという。

「真っ直ぐの球威はメジャーでも通用している。多少甘く入っても打者が詰まる場面が目につく。以前から言われていたが、コースを度外視してストライクゾーンに投げることを重視すべきだと思う。四死球による自滅がなければ大崩れの頻度も減る可能性もある。マウンド上では相手打者を見下すような気持ちで、大胆に投げれば良い」(在米スポーツライター)

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米国で“覚醒”する可能性も