アスレチックス・藤浪晋太郎(AP/アフロ)
アスレチックス・藤浪晋太郎(AP/アフロ)

 日本でのくすぶりから抜け出しメジャーリーグで飛躍……。

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 今シーズンからMLBのアスレチックスでプレーする藤浪晋太郎はそんなサクセスストーリーを描いていたに違いない。

 だが、ここまでのところ“厳しい現実”に直面していると言わざるを得ないだろう。

 メジャーデビュー戦となった現地4月1日のエンゼルス戦では、高校時代のライバルであった大谷翔平といきなり対戦が実現するなど、最高の舞台となったが2回1/3を8失点で負け投手に。続く2試合目の登板となった8日のレイズ戦でも3回までは無失点で抑えていたものの、4回から制球を乱し、4回1/3で5失点という内容で早くも2敗目を喫した。

 デビューからの2試合で全てを判断することはできないが、気になるのは阪神時代から指摘されている制球難が改善していないこと。そして、突如それが現れるという点だ。2試合で与えた四死球は既に8個を数える。米国移籍後のメカニック的な部分でも、改善が見られず、今後に向けて不安要素も多い。

「投球が抜けやすい投手。原因は体の開きが早いという技術的部分で渡米後も変わりない。加えてMLB公式球はNPBのものに比べて滑りやすい。意識して投げている間は制球できても力が入ると抜け始める。いきなり制球が乱れる理由も理解できる」(MLBアジア地区担当スカウト)

「体の使い方を意識して力を多少セーブをして投げても、相手打者の目が慣れていない1巡目までは抑えられる。球威はあるし、指にかかった時の変化球は打者の手元で消える感じ。しかし対応されてより力を入れ始めると悪癖が顔を出す。これは阪神時代から変わらない」(在京球団編成担当)

 アスレチックスのチーム事情的に今後も先発ローテーションの一角として、それなりにチャンスは与えられると見られてはいるが、状況によっては配置転換も考えられる。また、あまりにも状態が悪いとマイナーに降格という可能性も浮上してくる。

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今は「NPBにも復帰できない」レベル?