昨季のプロ野球は、オリックスヤクルトが2年連続リーグ優勝をはたした。リーグ3連覇を目指す両チームはもちろんのこと、ベテラン選手の引退や新人選手の入団、トレードやFAでの新加入選手などの情報をふまえ、各球団の「ストロングポイント」と「ウィークポイント」を探ってみた。

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【パ・リーグ】

 オリックスは史上初の2年連続「投手4冠」(勝利、防御率、奪三振、勝率)を獲得した山本由伸、11勝を挙げた宮城大弥の左右2枚看板が最大のストロングポイントだ。しかも、田嶋大樹、山崎福也、山岡泰輔、今季3年目の新鋭・山下舜平大、曽谷龍平の先発陣は強固だ。さらに、宇田川優希、山崎颯一郎、阿部翔太、ワゲスパックら強力リリーバー陣が控える。ただし、吉田正尚がレッドソックス入りで抜けたのは痛い。ただでさえ昨季はリーグ最少のチーム89本塁打だった。その穴を西武からFAで獲得した「打てる捕手」森友哉がどれだけ埋められるだろうか。森はリード面にも進境をみせ、昨季は西武のチーム防御率をリーグ1位に導いている。3連覇達成となれば、パ・リーグでは1990~94年に5連覇の西武以来となる。

 昨季、ソフトバンクはオリックスと同じ勝率ながら、直接対決の戦績で涙をのんだ。その戦力から7年連続2ケタ勝利の大エース・千賀滉大がメッツ入りして抜けた。だが、各分野のウィークポイントの強力補強には抜かりがない。先発投手の有原航平とガンケル、抑えのオスナ、司令塔・甲斐拓也の控えとしてDeNAから嶺井博希、チャンスメーカーにもポイントゲッターにもなりうる近藤健介が日本ハムから加入した。もともと先発で大関友久、東浜巨、和田毅、藤井皓哉、抑えでモイネロ、打撃陣は柳田悠岐、今宮健太、牧原大成、周東佑京、栗原陵矢ら、選手層は厚い。

 2018、19年のリーグ2連覇時に「山賊」の異名をとった西武打線。気がつけば、浅村栄斗が楽天に、秋山翔吾が広島に、さらに森友哉がオリックスに移籍した。残る大砲は山川穂高だ。ドラフト1位の蛭間拓哉に即戦力としての期待がかかる。松井稼頭央監督は自らの現役時代同様、機動力を絡めた戦略をとるだろう。一方で投手力はトップクラスだ。21年まで4年連続チーム防御率6位だったが、昨季は一躍1位に躍り出た。先発陣は高橋光成、松本航、今井達也、アンダースローの與座海人、左腕のエンスと隅田知一郎、平井克典。平良海馬と水上由伸は、それぞれ35ホールドポイントで「最優秀中継ぎ」に輝いた。そこに24ホールドポイントの本田圭佑と抑えの増田達至が加わる。今季から先発に転向する平良、リードする捕手の古賀悠斗や柘植世那がチーム浮沈のカギを握るだろう。

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