■野球すげーな

 準決勝のメキシコ戦、序盤の投手戦から3点を先制される展開となった後、吉田正尚の起死回生の同点弾、大谷の執念の二塁打、そして村上のサヨナラ打など、白熱の試合展開の末の劇的勝利となった。その試合直後の会見、栗山英樹監督は「勝ち負けは別として、野球すげーなって、本当にやっている方も感動しましたし、見ている人たちも野球すごいなと思ってくれたらすごくうれしいです」とコメントした。

 現役引退後、長らくキャスターを務める傍ら、北海道に少年野球場「栗の樹ファーム」を作るなど、野球振興へ強い想いを持つ栗山監督。日本ハムの監督就任後も、大谷の“二刀流”実現を信じ続けるなど、目先の勝利だけでなく、常に野球界全体に目を向けてきた。この日、勝負の流れを左右する様々な出来事やプレーがあったが、それを「野球すげーな」のひと言で見事に表現。試合が行われた3月21日は祝日、テレビの前で侍ジャパンの激勝を見届けた多くの日本人が、確かに「野球すげーな」と思ったはずだ。