5年ぶりに巨人に復帰した長野久義
5年ぶりに巨人に復帰した長野久義

 昨シーズンはBクラスの4位に沈んだ巨人。巻き返しを期してオフには“大型補強”も噂されたが、フリーエージェント(FA)選手の獲得もなく、ストーブリーグが終了した。助っ人は新たに5人(育成のルシアーノは除く)を迎え入れたが、オフの補強を見ると今後の方針も見え隠れする。

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「(昨年のオフに巨人は)水面下では動いているという情報もありました。FA市場には森友哉(西武オリックス)、近藤健介(日本ハムソフトバンク)という目玉選手がおり、以前なら大枚を叩いてでも獲得したはず。しかし実際にはFA選手の獲得はなく、球団方針が変わったことを感じた」(在京球団編成担当)

「『FA選手にフラれた』という報道も見られたが、球団方針にブレがなかったということ。ファーム組織に積極的な投資を行い、外国人選手も含めて育成へ本気で取り組む意思が感じられた。目先の勝利のためだけの補強をしない姿勢が明確になったのではないか」(巨人OB)

 そして、FAなど目立った補強がない中で話題となったのが、無償トレードで5年ぶりに復帰した長野久義と、ソフトバンクから退団となった松田宣浩との契約だ。現役ドラフトでは楽天からオコエ瑠偉を獲得したことも注目されたが、チームにとって大きいのは実績十分のベテラン2人の存在だという。

「25歳のオコエにはレギュラー奪取も期待しているが、長野と松田には別の役割を求めている。年齢的に常時出場は厳しいため、バックアップメンバーとして代打の切り札か守備固めでの起用となるでしょう。そして高い人間力を生かしたチームのまとめ役としての獲得であったはずです」(在京球団編成担当)

 長野は2006年のドラフトで日本ハム(4位)、2008年にロッテ(2位)に指名されたが、巨人への入団を希望し、いずれの指名も拒否。2009年のドラフト1位で念願の巨人入りを果たした。入団後は首位打者と最多安打を獲得するなど、攻守で活躍。また、グラウンド外でも高いコミュニケーション能力を生かし、チームのまとめ役としても欠かせない存在となった。2019年に巨人がFAで獲得した丸佳浩の人的補償として広島に移籍したが、今季から古巣復帰となった。

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“献身的”なベテランの重要性は?