【タイプ3】鼻が乾燥する:潤い不足タイプ

「肺」は乾燥に弱く、鼻と密接に関わる臓器。そのため、肺が潤い不足になると鼻も乾燥して働きが弱くなり、嗅覚にも不調が現れます。

 体内の潤いは「腎」が源となっているため、このタイプは肺の潤い補給と合わせ、腎の働きを良くすることも心がけて。鼻が乾燥するとウイルスなどを防ぐバリア機能も弱くなるため、乾燥が気になる人は積極的に身体の潤い対策をしましょう。

<気になる症状> 
嗅覚障害の長期化、慢性鼻炎、慢性萎縮性鼻炎、鼻やのどの乾燥感、唾液が少ない、乾燥肌、疲労感、息切れ、痩せ気味、便秘気味、舌がやや紅く舌苔が少ない

<食の養生>
肺の潤いを養う食材を。
はちみつ、百合根、バナナ、白きくらげ、くるみ、白ごま、松の実、白菜、大根、鶏の手羽先、豚足など

【タイプ4】過剰なストレス:気の停滞タイプ

 鼻の働きを健やかに保つためには、十分な「気(エネルギー)」が鼻をスムーズに巡っていることが大切。そのため、過剰なストレスなどで気の巡りが停滞すると、鼻の働きにも影響して匂いを感じにくくなります。

 嗅覚障害を気にし過ぎると、さらにストレスを感じて症状が長期化してしまうことも。過剰に意識はせず、気持ちをリラックスさせて気の巡りをスムーズに保ちましょう。

<気になる症状>
ストレスで嗅覚障害が重くなる、憂うつ、怒りっぽい、情緒不安定、胸苦しい、不安、落ち込みやすい、不眠、寝つきが悪い

<食の養生>
香りと酸味で気の巡りを整える。
ミント、みかんの皮、菊花、カモミール、ジャスミン、パクチー、春菊、せり、たけのこ、ゆず、レモン、柑橘類など

■暮らしの養生

・食事は野菜多めを意識して。辛いもの、甘いもの、油っこい料理、乳製品は控えめに。
・良質な睡眠を取り、身体の働きを整えて。夕方以降のカフェインは控えめに。
・朝日を浴びて腹式呼吸の習慣を。陽気を全身に行き渡らせましょう。
・鼻水が気になる時は、熱めの蒸しタオルで鼻を温めて。
・スムーズな排尿・排便を心がけ、身体に老廃物を溜めないように。

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社が発行する情報誌『チャイナビュー』より、一部改変して転載しました。同誌は日本中医薬研究会の会員店で配布しています