野手では倉本寿彦(前DeNA)が山口と同じく合同トライアウトを受験せずにオファーを待っている状態が続いている。プロ入り2年目の2016年には157安打、打率.294をマークし、翌2017年には全試合フルイニング出場を果たすなどショートのレギュラーに定着したが、2018年以降は大和がFAで加入したこともあって出場試合数が減少。ここ数年は二軍(昨季は90打数17安打/打率.189)でも結果を残すことができておらず、自由契約となったのも致し方ないという状況だったが、堅実な守備はまだまだ健在という印象だ。

 獲得を検討しても面白い球団としては西武を挙げたい。昨年は源田壮亮が怪我で離脱した際に代役として高校卒ルーキーで、しかも育成ドラフト2位で入団した滝沢夏央がいきなり抜擢されていることからも分かるように、ショートのバックアップは大きな課題となっている。昨年のドラフトでは守備に定評のある児玉亮涼(大阪ガス・ドラフト6位)を獲得しているが、過去2年控えとして存在感を示していた山田遥楓がトレードで日本ハムに移籍しており、まだまだ手薄な感は否めない。源田がWBCの侍ジャパンにも選ばれて負担が大きいことを考えても、実績のある倉本が加入すればプラスも大きいのではないだろうか。

 最後に去就未定の外国人選手としてはマルテ(前阪神)の名前を挙げたい。昨年は右足の故障の影響で23安打、1本塁打と来日以来最低の成績に終わったが、一昨年はチーム2位の22本塁打、チームトップタイの71打点をマークするなど中軸として十分な働きを見せている。打率はそれほど高くないが、ボールを見極める力には定評があり、出塁率の高さも大きな魅力である。今年で32歳という年齢を考えても、コンディションさえ万全ならまだまだ活躍できる可能性はあるはずだ。昨年得点力不足に悩んだオリックスロッテなどは新加入の外国人選手が機能しない場合は検討しても面白いだろう。

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近年でもキャンプイン後に去就が決まった選手