淳子被告はお化けの絵文字に続けて、

<お前さん(靖さん)は恵まれていた。平安なことでいけて、官僚に感謝しろ>

<治らない精神病患者は1カ所にまとめてガソリンまいて、燃やしてしまえ>

 などと返信すると、

<お化け(靖さん)ご要望通り、燃えました>

 と山本被告が返したことなども明らかにして、山本被告と淳子被告にも殺意があったとした。

 これに対して山本被告は、

「母が父を殺せと頼んだことは一切ない。誤解しないでください」

 と反論。そして、

「計画がなければ父は亡くなっていない。自分にも落ち度がある」

 と述べた。

 19年に山本被告と大久保被告が起こしたALS患者への嘱託殺人事件で逮捕された時、ツイッターで「羆(ひぐま)」というハンドルネームの投稿が注目された。大久保被告は、

<オレはドクターキリコになりたい>

<開業するなら、ドクターキリコしかないな>

 などと投稿していた。

 ドクターキリコとは、漫画「ブラック・ジャック」に出てくる、安楽死の必要性と正しさを信念とする医師だ。

 山本被告は、

「父は大久保被告の、人為的に寿命を迎えさせる、証拠が残らない殺人の実験台だった」

 と話した。

 判決は2月7日に言い渡される。

京都地裁
京都地裁

(AERA dot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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