スポーツなどのイベント以外でも一般ユーザーからの収益増を目指している。サッカー開催時にドーム内へ取り込まれるホヴァリングステージや室内ブルペンを一般に貸し出す。またトレーニングルームの個人利用、名物になりつつあった地上53mの展望台など、収益を上げるアイデアは決し少なくないが……。

「色々やろうとしているが野球に勝るコンテンツはない。プロ、アマを問わず野球の注目度は高く、観客動員や物販販売も見込める。今後は高校野球の試合開催をめぐるドームとエスコンフィールドとの綱引きもあるかもしれない」(大手広告代理店関係者)

 野球の会場としては、今秋の全道高校野球大会でドームが使用される。これまで札幌市内の円山、麻生の両球場で行われていたものがドームに移り開催される予定で、高校野球の公式戦がドームで行われるのは初めてとなる。ドームはNPBの他球団の試合を含め、引き続き野球の試合を開催していくことも、生き残りのためのカギとなりそうだ。

 そういった意味では、ドームはいまだ北海道のファンにとっては特別な球場であるというのは強み。3月4、5日にはオープン戦(楽天戦)が2試合行われることも発表されている。2004年の移転から昨年までの19年間でリーグ優勝5回、日本一2回を成し遂げた歴史もあり、今後は他球団ではなく日本ハムの公式戦も行われることもあるのだろうか。

「ドームでオープン戦が開催されることには驚きました。ですが、これは日本ハムとして最後の奉仕でしょう。反響によっては、ドーム側から年間数試合の公式戦開催を打診する可能性もあるのではないでしょうか。実現の可能性は低いと思いますが……」(在京キー局スポーツ担当者)

 様々な試みが今後も続くと見られているが、やはりドームの未来ついては厳しい見方が多いのは事実だ。

「日本ハムの度重なる要望を聞かず営業面での利益を追求したことで出ていかれてしまった。よほどの営業努力をしないと今後は厳しくなるとは思う」(日本ハム担当記者)

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札幌ドームは生き残れるのか