倖田來未(撮影/加藤夏子)
倖田來未(撮影/加藤夏子)

「ずっと我流で歌っていたので、ある日突然、声が出なくなったんです。2015年のライブでした。1曲目からもう声がかれちゃって、2 時間半のコンサートを、声を絞り出して何とか歌い切りました。その時、これで来年や再来年もライブができるのかなと不安になり、自分を変えなきゃいけないと思って、ボイトレ(ボイストレーニング)に通うようになりました。実は、今も喉にしこり(コブ)ができているんです。それを手術するかどうかの選択を迫られた時もありました。ドクターからは『しこり(コブ)を手術すれば声が若くなるし、高くなる』と言われました。だけど、私は20年前よりも、今の声の方が好きなんです。これだけ味を出して、深みを出すように、ヴィンテージデニムのように、声を育ててきたんです。手術して20年前に戻れたとしても、今の声を新品に戻すというのは自分としては違和感がありました」

 改めて、今年の抱負を聞くと、倖田はこう語った。

「40歳になって、やっぱり体も疲れやすくなってきていますし、体力の低下を感じているので、とにかく、今年は健康でいることがテーマですね」

 ライブでは「長いことエイベックスにいんねんけど、取締役になれんかな」と言ってましたが、その思いは本当なんでしょうか?

「エイベックスに20数年いるから、そろそろ株をもらいに今度ちょっと社長に直談判してこようかな、というのは冗談です(笑)。歌手になりたいと思ってオーディションを受け、やっと拾ってくれたのがエイベックス。デビューから5年間、ずっと芽が出なかった。本当は3年で契約が切れるところだったのに、ずっと支え続けてくれた会社があったから今の私があるので、これから恩返しもしていきたいなと思っています」

 今年は倖田來未はファンに”新しい景色”を見せてくれそうだ。(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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