倖田來未(撮影/加藤夏子)
倖田來未(撮影/加藤夏子)

 最初の会話は「楽曲を作ってほしい」だった。

「私は彼の声とメロディーラインのセンスに惚れていたので、初めて会った時に『私のために楽曲を作ってもらえませんか』とお願いをしました。その場ですぐ、つくる楽曲はああでもない、こうでもないという話になりました。その時、『あー彼となら、一緒に成長できるな』と思って、気づいたら、私の方が惚れていました(笑)。そこからは速くて、楽曲を作っている間の友達期間が3カ月くらいあって、11年6月に付き合い始め、半年後の12月には赤ちゃんを授かりました。あのタイミングで、結婚のきっかけができて本当によかった。今だから思いますけど、もっと早く結婚しておきたかったくらい結婚生活は楽しくて、子育ても楽しくしながら過ごしています。息子は『ママが作ったから揚げとハンバーグが一番おいしい』と言ってくれるんです。でも、外食もしますよ。息子に『今日は外にご飯食べに行こうか』と言うと、『デニーズのハンバーグが好き』と言うのでよく行くんです。たまにテレビ局の方にも、プライベートで外食しているところを見かけます、と言われることもあります(笑)」

 夫と息子の関係も良好だという。目下、父子でハマっているのはプロレスだ。

「旦那がプロレスが大好きで、親子でずっとプロレスのビデオを見ていて、気づいたら息子も大ハマリ。それまでは『将来は映画監督になる』なんて言っていたのに、今は『将来はプロレスラーになる』って(笑)。私は『こんな血だらけになるのはやめて』と言いながら、ついつい私も見ちゃうんですよ。息子がこの間、『プロレスの選手がちゃんこ(鍋)食べてるから、僕もちゃんこ食べてみたい』と言うから、ちゃんこ屋さんに連れて行ったんですが、野菜が一杯入っているから息子は食べられない。『ちゃんこ食べられへんかったら、プロレスラーになれへんよ』って私が野菜食べさせる、みたいなそんな親子です」

 私生活のみならず、歌手としても順調だ。昨年12月6日の東京ドームシティホールのライブでは、3 階席まで満席。ステージが見えにくい「見切れ席」まで観客で埋まった。倖田は2 時間を超えるステージで踊り、歌い切った。40歳になったが、生歌のボーカルは20代と変わらず伸びやかで迫力もある。だが、そんな彼女も声で悩んでいた時期があった。

次のページ
「20年前よりも今の声の方が好き」