そんな自然やおいしい食べ物が選手たちを強くしているのかもしれない! 店名の「Dobro」は、英語の「Good」を意味する。実際に店内で、クロアチアを代表する料理「サルマ」を注文すると、ロールキャベツのような料理が出てきた。店員がこう説明した。
「サルマは、クロアチア人から母の味といわれている料理なんです。キャベツを3週間塩漬けにし、中にはひき肉が入っています。日本の漬物のように、保存食でもあるんです。バルカン半島のセルビア人や北マケドニア人もうちの店にこれを食べに来ますよ」
発酵した独特のツンとした香りで、米とキャベツと肉がミックスされ、一口食べると思わず「おいしい!」。これが地中海料理!?なのかと、感動しながら口に運んだ。
隣のテーブルでは、会社帰りと思われる男女が、クロアチアサッカーの話に興じながら食事をしていた。
クロアチアは、前回18年の「ロシア大会」で準優勝した強豪だ。そのときのズラトコ・ダリッチ監督が今回もチームを率いている。
ダリッチ監督は先日の記者会見で、
「(日本の粘り強さは)私たちのチームに似たところがあり、大きなリスペクトを持って戦う」
と語った。川崎さんはクロアチアチームの特徴をこう語る。
「クロアチアは小国でありながら、W杯の常連。もともと、旧ユーゴスラビアのときから強かった。今回はユーゴから独立したセルビア(予選リーグ敗退)も出ています。旧ユーゴのクロアチアとセルビアの2カ国が出ているというのは、サッカーを愛する地域だということですね」
さて、今回の取材の本題。日本はどう戦ったらいいのか。
「クロアチアは、司令塔のモドリッチ選手(レアル・マドリード)が中心のチーム。彼は37歳の世界的なスター選手です。前大会でMVPを受賞したくらい評価されている。中盤にいるモドリッチとコバチッチ(チェルシー)、ブロゾビッチ(インテル・ミラノ)の3選手のコンビネーションは世界トップクラスの脅威といわれています」