クロアチアのサポーター(2018年のW杯ロシア大会)
クロアチアのサポーター(2018年のW杯ロシア大会)

 サッカーW杯の決勝トーナメントで12月6日午前0時、日本代表はベスト8をかけクロアチアと対戦する。クロアチアは予選リーグをグループ2位で突破し、FIFAの世界ランキングは12位と日本(24位)よりも格上。このチームに日本が勝つためには、やはり相手の情報を多く知ることが一番だ。とはいえ、おおかたの日本人にとってクロアチアというのはなじみが薄い。そこで、20年前から“日本で唯一”といわれるクロアチア料理専門店を営む川崎幸樹さん(55)のもとを訪ねた。

【写真】前回のロシア大会で準優勝したクロアチアのモドリッチ選手はこちら

 東京都中央区にあるクロアチア料理専門店「Dobro(ドブロ)」。店の外にはクロアチア国旗が掲げられ、店内にはクロアチアの海岸や滝などの風光明媚(めいび)な写真が飾られていた。地中海の雰囲気を感じられるインテリアだ。

店の壁には「BEST8 をかけて クロアチアvs日本」の貼り紙が
店の壁には「BEST8 をかけて クロアチアvs日本」の貼り紙が

 店内には「日本で唯一のクロアチアレストラン」というキャッチフレーズも書かれていた。川崎さんはこう話す。

「本当に日本全国で、クロアチア料理専門店はここしかありません。東京にあるクロアチア大使館の大使も食事に来られますよ。クロアチアは人口400万人余りしかいない小さな国で、日本にいるクロアチア人はわずか100人ほどと見られています。その国と日本が3回も当たるって、本当に奇跡みたいなことだと思っています」

 日本とクロアチアは、W杯では1998年の「フランス大会」予選リーグで戦ったのが最初。中田英寿氏や中山雅史氏、川口能活氏らを擁した日本代表だが、試合は0-1でクロアチアが勝利。2度目の対戦は2006年「ドイツ大会」。このときの日本代表には中田氏や川口氏、中村俊輔氏らがいたが、結果は0-0の引き分け。このときのクロアチア代表には、今大会も主力として出場している背番号10のルカ・モドリッチ選手もおり、途中出場している。彼にとっては16年の時を経ての日本との対戦となる。

2018年W杯で準優勝し、 最優秀選手にあたる「ゴールデンボール賞」に輝いたクロアチアのモドリッチ選手
2018年W杯で準優勝し、 最優秀選手にあたる「ゴールデンボール賞」に輝いたクロアチアのモドリッチ選手

 川崎さんが話す。

「予選リーグだったドイツ大会のときは、2カ月間、メディアからの取材のない日はないくらいの騒ぎでした。対戦当日は報道陣が70人くらい来て、店内でライブ中継を見つめたものです」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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