それだけ聞くと、日本にとっては何とも厳しい話だが……。川崎さんが続ける。

「クロアチアの戦い方は、どちらかというとパワープレーではなく、守りが強い。個人の力は日本よりクロアチア選手の方が上だと思いますので、ドイツ戦やスペイン戦のように、日本が先取点をクロアチアに与えると、鉄壁の守りの前になすすべがなくなる可能性もあります」

 とはいえ、クロアチアにも攻め入る隙はあるはずだ。川崎さんや店員たちに、日本にどう攻められたらイヤかを聞くと、

「モドリッチ選手を自由に動きまわらせてはだめ。そして、両サイドから攻めることですね。サイドバックの選手も攻撃に参加するから、その分、裏のスペースが空いたりもする。日本がスペイン戦のように両サイドから攻め込んで、MFの堂安律選手の左足が炸裂(さくれつ)すれば、チャンスは生まれるのかなと思います。今の日本代表には勢いがありますからね」

 なるほど。今の日本には十分にチャンスがありそうだ。

 日本はW杯でベスト8に進出したことがない。川崎さんには申し訳ないが、今回はクロアチアを破り、新たなステージに上がることを願いたい。

 同店では試合当日は定休日だが、店の客であるクロアチア人らを招き、大型スクリーンで試合観戦する予定だという。

(AERA dot.編集部 上田耕司) 

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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