12月3日からの障害者週間に合わせ、障害のある息子を持つ母親が、インターネットで身体や知的障害などに対する知識についてアンケートを行った。無作為で選んだ人たちには「障害についてどのくらい知っているか」、障害当事者や家族には「どのくらい知られていると思うか」を尋ねた内容だが、無作為の回答者は各種の障害について、8割が「知っている」と答えた。その一方で、当事者や家族は「知られていないと思う」と答える人が8割近くに上った。この意識のギャップは、なぜ生まれるのか。
* * *
アンケートを行ったのは、障害のある児童たちが広告モデルとして出演する「キッズモデル」事業に取り組んでいる「華ひらく」の内木美樹社長(39)。9歳の長男・尊(たける)君は、自閉症と重度の知的障害がある。
アンケートの対象は、無作為に選んだ578人(グループA)と、障害当事者や、家族に障害者がいる165人(グループB)。身体障害や知的障害などについて、グループAには「障害をどのくらい知っているか」、グループBには「障害についてどのくらい知られていると思うか」を尋ねた。
まず、視覚障害や肢体不自由などの身体障害については、グループAの29%(小数点以下四捨五入)が「症状も含め知っている」、52%が「ざっくりと知っている」と、81%が「知っている」のカテゴリーの回答を選択した。
一方のグループBは「知らないと思う」が14%、「症状は知らないが名称だけは知られていると思う」が63%と、77%が「知られていない」のカテゴリーの回答を選んだ。
この他の障害でも、同様の傾向が顕著に表れた。
▽精神障害・グループA「知っている」が78%、グループB「知られていない」が79%。
▽知的障害・グループA「知っている」が84%、グループB「知られていない」が86%。
▽発達障害・グループA「知っている」81%、グループB「知られていない」が89%。
限られた回答数ではあるものの、なぜこれほど数字に違いが出るのか。