「Anea cafe 松見坂店」のドラマ席に座っていた千葉県の29歳女性。お店に「100回くらい」電話をして席をゲットしたという(撮影/上田耕司)
「Anea cafe 松見坂店」のドラマ席に座っていた千葉県の29歳女性。お店に「100回くらい」電話をして席をゲットしたという(撮影/上田耕司)

「すでに予約で一杯です。次に予約が解放されるまで空きがありません。(空き状況は)インスタのストーリーでお知らせします」(店員)

 この日、予約席に座っていたのは、千葉県から来た福祉関係の会社に勤める女性(29)。同僚の女性(24)と来店していた。やはり1人は青のニットセーターを着ている。

ドラマ席は、1カ月くらい前に電話で予約しました。最初は店に電話してもつながらなくて、100回くらい電話しました(笑)。ドラマ席でなくてもどうしても来たかったので、今月初めにはオープン前から4時間くらい並んで入ったこともあります」(29歳女性)

 ドラマ席の座り心地はどうだったのだろうか。

「やっぱり、この席で想と紬が会っていたんだと思うと、独特の雰囲気を味わえますね。ファン心理としては、やっぱり『ドラマと同じ席で同じことをしたい』という願望があります。私は手話は全然できないんですが、ドラマで出てくる手話は自然と覚えちゃいました。『探す』とか『片思い』とか。生まれながら耳が聞こえない奈々を演じる夏帆ちゃんの演技は、普段から手話を使っているのかと思わせるくらい上手ですね」(同)

 最後に訪れたのは、紬がアルバイトをしている「タワーレコード渋谷店」。店の前で、大阪からやってきたという25歳の女性2人組に出会った。

紬がアルバイトをしている「タワーレコード渋谷店」(撮影/上田耕司)
紬がアルバイトをしている「タワーレコード渋谷店」(撮影/上田耕司)

「とりあえず、紬が勤めているタワレコにやってきました。今から世田谷代田のロケ地巡りをしようと思っています。私は役者さんのファンというよりも、ドラマの物語性が好きです。紬が想の下の名前を初めて呼んだシーンの細かい演出やメッチャきれいな映像に感動しました」

 タワレコに入ると、Snow Manのブースにドラマのバックで流れるスピッツのCDが並べてあった。結成35周年のスピッツも再注目されているようだ。

 放送を重ねるごとに「聖地」となっていくsilentのロケ地。しばらくはファンが押し寄せる状態が続くだろう。(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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