しかし、実際のドイツ戦は、おそらくボールを保持される時間が多くなるはずで、カナダ相手に日本がポゼッション率を高める戦い方をしても本大会には繋がらない。コンディション調整を最優先にした上で、本大会のドイツ、スペイン戦を想定し、「守備の確認」と「カウンターの精度向上」をテーマに置きたい。

 繰り返しになるが、本大会直前のテストマッチに「結果」は必要ない。付け加えるならば、ドイツの偵察が必ず入るだけに“弱者側”である日本が手の内を見せるべきではない。多くの選手を起用するのは当然として、「誰がスタメンなのか分からない」と思わせるべきだ。煙に巻きながら「死んだふり作戦」、場合によっては「アジジ作戦」を発動させてもいい。その狡賢さが、森保ジャパンが番狂わせを起こすためには必要かも知れない。(文・三和直樹)