「さっきも言ったように天才だし、エンターテイナーですよね。どうやったらお客さんに楽しんでもらえるかっていうことを常に考えてますよ。とにかくファンを楽しませたい、喜ばせたいっていうところはメッチャ感じるし、自分も参考にさせてもらってます。尊敬しますよ、ホント。基本、優しいんですけど、ファンにも簡単に優しくするんじゃなくて、ツンデレというかひねりを入れるんです。たとえば(スタンドのファンにTシャツを撃ち込む)バズーカでも、『そっちに撃つよー!』ってポーズをしておいて、撃たない。で、ファンが『なーんだ』ってガッカリしてると、最後にちゃんとそこに向かって撃つみたいな。そういうところもファンを惹きつけるんだと思います」

 まさに当代随一、いや球史に残るマスコットと言っていいだろう。ヤクルトは10月12日から始まったCSファイナルステージで連勝し、2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけて今日、14日の第3戦を迎える。その大事な一戦でも、この希代のエンターテイナーはあの手この手でスタンドを盛り上げるはずだ。(文・菊田康彦)

●プロフィール
菊田康彦
1966年生まれ。静岡県出身。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身。2004~08年『スカパーMLBライブ』、16~17年『スポナビライブMLB』出演。プロ野球は10年からヤクルトの取材を続けている。