LIVゴルフは、48人のトッププロを固定し3日間予選落ちなしの54ホールの個人戦と、同時に4人1組12チームによるチーム戦を開催するという新しいフォーマットを打ち出している。フォーマットもショットガンが採用され、こうした試みはこれまでの各国ツアーにはなかったことだ。

 しかし蓋を開けてみると、ミケルソン、ジョンソン、デシャンボー、セルヒオ・ガルシア(スペイン)など知名度抜群のトッププロがいるとはいえ、これが数字に積み上がっていないのだ。

 さらに、現状では武器がお金しかないLIVゴルフの将来の資金も不透明だ。テレビ放映権もスポンサードの話も具体的なものはないし、オイルマネーが底なしということはないだろう。LIVゴルフに収益が見込めなければ、ここまで資金提供してきたサウジ側も撤退する可能性もある。

 来シーズンのPGAツアーは、賞金の格上げ、年間を通してファンやスポンサーからの人気獲得に貢献した選手に報酬が支払われるプレーヤー・インパクト・プログラムのボーナス増額や、フルシードメンバーへ支援金、フルシードメンバー以外にも予選落ち手当てを支給すると新たに発表している。

 これらは全てLIVゴルフへの対抗策に見えるが、ゴルフ界で世界最高峰の名を欲しいままにしてきたPGAツアーの未来は、自らの施策よりも、LIVゴルフの浮沈により決まるのではないだろうか。