大葉沢城跡。山の上から下まで走る竪堀が多く残り、城好きには有名(写真 栗原さん提供)
大葉沢城跡。山の上から下まで走る竪堀が多く残り、城好きには有名(写真 栗原さん提供)

 最近気になった城は、新潟県村上市にある「大葉沢城」。戦国時代末期に廃城となった山城だが、山の斜面を上から下に向けて掘られ、斜面を兵がのぼってくることを防ぐ「竪堀」がたくさんあることで有名という。

「竪堀がたくさんあると逆に守備側が兵を分散させる必要があり、守りには不利とも思えるので、なぜこんなに竪堀があるのか不思議なんです」

 今回、栗原さんには、8月5日に朝日新聞出版が発売する『最強の城へタイムワープ』も読んでもらった。ひょんなことから、戦国時代の武将・竹田信玄衛門(たけた・しんげえもん)にとりつかれてしまった少年テツ。信玄衛門の願いは、生前建てられなかった立派なお城を建てることだった。同級生でお城大好き少女ナナも加わり、信玄衛門の力で戦国時代にタイムワープ! 江戸城、本城、今治城など天下の名城とされた城をめぐり、その「最強のポイント」を調査。熊本城では、あの加藤清正と戦う。栗原さんオススメの「山中城」も登場する。

「僕がいろいろな本を読んで得た知識が、この一冊につまっています。破風(はふ、屋根の形状)や懸魚(げぎょ、屋根のかざり)など、マニアックなところまで踏み込んでくれていて、すごく面白い。いろんなお城のいいところも描いてくれているので、いろんなお城に行きたくなる本です」
(生活・文化編集部 福井洋平)