入場ゲート近くの飲食エリア。客同士が向き合わないように配置されていた(写真:筆者提供)
入場ゲート近くの飲食エリア。客同士が向き合わないように配置されていた(写真:筆者提供)

■マスク着用率やソーシャルディスタンスは?

 去年は“絶対にマスクを着用してください”という注意喚起がなされていたが、今年のホームページには、「マスク着用は重要」としつつ、「屋外でお客様同士の距離があり発声や会話がない場合は感染のリスクが少ないため、マスクを外して熱中症の予防やリフレッシュをしてください」と記載されていた。正直、「そんなに外したり付けたりできないのでは?」と思わなくもなかったが、3日間、観客を見ている限り、8割はマスクを着用していたように思う。特に各ステージ前方ではほとんど全員がマスクをし、「できるだけ距離を取ってください」というアナウンスを守り、身体が触れない程度の“ソーシャルディスタンス”は保っていた。盛り上がると歓声が上がることもあったが、おおむねルールを守っていたようだ。

2日目終演後のGREEN STAGE(メイン・ステージ)。ゴミがぜんぜん落ちていない(写真:筆者提供)
2日目終演後のGREEN STAGE(メイン・ステージ)。ゴミがぜんぜん落ちていない(写真:筆者提供)

■参加者のマナーはどうだったか?

 アルコール解禁の影響も最小限、というか、ちょっとビックリするほど酔っぱらっている人を見なかった。以前から海外アーティストやメディアに「こんなにクリーンなフェスは見たことがない」と評されるフジロックだが、“酔っぱらって周りの人に迷惑をかけない”“ごみは持ち帰る”といったマナーがさらに徹底されていた。日本人特有の“人の目を気にする”意識もあるだろうし、30代以上のフジロッカーには「このフェスを続けてほしいので、ルールは守る」という気持ちもあるのだろう。

 ただ、コロナの影響がゼロかと言えば、そうではない。紅白にも出演した人気ユニット・YOASOBI、韓国のロックバンドであるSAY SUE MEをはじめ、複数のアーティストがPCR検査陽性のために出演をキャンセル。ステージ前方でもみくちゃになって盛り上がることもできず、コロナ前の祝祭的な雰囲気や開放感はあまり味わえなかった。筆者はじっくり音楽を聴きたい派なのでまったく問題ないのだが、「大声で歌ったり盛り上がれないなんて、フェスじゃない」という人もいるはずだ。

場内には消毒液も設置されていた(写真:筆者提供)
場内には消毒液も設置されていた(写真:筆者提供)
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30代後半以降とおぼしき観客が多かった