2005年のブームの頃の風太くん。立つ瞬間を見ようとたくさんの人がつめかけ、立ち上がると歓声が(千葉市動物公園提供)
2005年のブームの頃の風太くん。立つ瞬間を見ようとたくさんの人がつめかけ、立ち上がると歓声が(千葉市動物公園提供)

 2005年に後ろ足でスクっと立つ姿がかわいいと一大ブームを起こした、千葉市動物公園(千葉市若葉区)のレッサーパンダの風太くん。今日7月5日が19歳のお誕生日。人間の年齢に換算すると80歳以上のご高齢で、4月16日頃から食欲がなくなり、展示を2カ月間休止していた。先月9日に展示が再開したもののファンからは心配の声が上がっていた。

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「以前長く療養した歯の病気の時は、飼育員さんがエサをすりつぶして食べさせていたので、なんとか大丈夫だろうと思っていましたが、今回は食欲が落ちたというよりエサを食べない状態だったので、本当に本当に心配で……。千葉市動物公園のTwitterの通知を受け取るようにしているんですけど、その通知がくるたびに体調が悪化したとかだったらどうしようかと思っていました」

 と、話してくれたのは、07年から千葉市動物公園に通い詰め、風太一家を見守る民間団体「風太ァズ」を12年に立ち上げたイラストレーターの風子こと中野志保さん。話を聞いた日も風太くんを訪ねていたそうで、

「今日は寝ててかわいかったです! 午後1時30分頃、リンゴを飼育員さんがあげるタイミングだったのですが見逃してしまい、アクティブな風太くんには会えませんでした。残念でしたが、動物園のどこかで風太くんらしく普通に過ごしているのだと実感できて良かったです」

 心配された風太くんの体調だが、千葉市動物公園のレッサーパンダ担当の飼育員・水上恭男さんがこう説明してくれた。

「4月中旬にエサを食べなくなりました。吐き戻し、軟便の症状があり、過去にも同じような症状で軽いものはありましたが、全くエサを食べないというのは初めてでした。ちょうど、体毛がはえかわる時期だったので、毛がお腹に入って調子が悪くなったようです。毛を刈って、なめても大丈夫なようにしています。今は朝のエサは残しがちですが、夕方は全部食べています。20年12月に右頬に歯槽膿漏のような歯に膿がたまる症状が出たときは手術もして、同時に皮膚の病気もして、今回よりも療養期間が長く5カ月くらいかかりました。今回は2カ月のお休みで回復して、みなさんが心配してくださっているようなことはなく、大丈夫です」

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猛暑で風太くんは