歴代2位は中日・落合博満監督の3億7000万円。08年オフに現状維持の年俸1億5000万円プラス出来高の3年契約を結んだと報じられたが、その後も10年に3度目のリーグ優勝をはたすなど、好成績を続けたことから、出来高等込みでこの金額になったようだ。

 04年に監督就任以来、07年には球団では53年ぶりの日本一を実現し、リーグ優勝も退任時までに4回。中日の歴代監督の中でも最高の実績であることを考えると、けっして貰い過ぎとは言えない数字である。

 だが、高給取りの監督は、どんなに結果を出しても、その座は安泰とは限らない。

 3年契約最終年の11年、白井文吾オーナーから球団の赤字体質改善の指令を受けた坂井克彦球団社長は、落合監督の年俸が他球団の監督と比してずば抜けて高いことや過去7年間輝かしい成績を挙げながら黒字収支が1度もなかったことなどを理由に、契約満了を機に首脳陣を一新して球団経営を改善させる道を選ぶ。事実上の解任である。

 チームが好成績を続ければ、監督や選手の年俸も上がっていくのに、優勝しても観客動員数は逆にダウンし、親会社もインターネットの普及により、新聞の売り上げが激減するという悪循環。球団も親会社も赤字続きのなか、落合監督の高年俸がネックとなるのは、必然の流れだった。

 首位・ヤクルトとV争いを繰り広げているさ中に球団から肩を叩かれた落合監督は「はい、わかりました。残り試合も全力を尽くします」と答え、退任発表が行われた9月22日のヤクルト戦で鮮やかな逆転勝利を収めると、「契約書どおり。そういう世界だ」とクールに言った。

 ここから「監督のラストシーズンを優勝で飾ろう」とチームが結束し、2年連続Vで有終の美を飾ったのは、周知のとおりだ。

 そして、落合監督に次ぐ3位は、巨人2期目時代の原監督の3億円。

 13年、2年連続Vを達成した原監督は、日本シリーズでは楽天に3勝4敗で敗れ、日本一こそ逃したものの、11月8日、球団を訪れ、シーズン終了報告を行った際に「常識的な範囲の年数や金額を提示させていただきました」(桃井恒和球団社長)と8000万円アップで合意した。

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“謎の部分”も多い監督の年俸