「依頼を受けた学生のうち何人かは責任を感じて退会された、というのは確認しています。現状、大学生の方に非が認められるわけではないので、弊社の側から講師側に何か対応を取るということはしていません」

 運営担当者によれば、講師となる学生がサイトに登録する際には、基本的に氏名と学生証を照らし合わせているが、受験生については、登録時に身分証の提示を求めていなかった。氏名・年齢などの入力は必要だが、今回不正を行った19歳女性は、偽名で登録していた可能性が高いという。大学生とのやりとりでは、「高校2年の女子生徒」を自称して身分を偽っていた。

 やりとりでトラブルが起きたらどうなるのか。

「弊社の場合は個人契約なので、利用規約にある通り、トラブルが起きても基本的には当事者間で解決していただきます。運営側がトラブルをすべて管理するとなれば、相応の人員をかける必要がありますが、元々のコンセプトである安い料金を維持することはできなくなる。個人契約で成り立っている弊社では難しいのが現状です」

 一方で「決して安全性を軽視しているわけではなく、一定の対策は講じている」として、次のように話す。

「弊社は他のサイトにならって、受験生が銀行振込かクレジットカードの登録に応じた場合に初めて(大学生側の)メールアドレスを開示します。今回のように何かトラブルが起きた際には、身元をたどる参考になります。また、トラブルが起きそうな事案に関しては注意喚起し、何かあったら通報してほしいと告知しています。もし通報するような事案が起きた場合には、すぐにアカウントを停止するなどの対応を取っています」

 担当者によると、過去のトラブルは決して多くなかったといい、「記憶にある限りは2件ほど」だという。いずれも受験生による悪用ではなく、受験生側からの通報で、「家庭教師の方がレッスン以外のことを求めている気がする」「(家庭教師が)出会い系のような目的で利用しているのではないか」といった内容だった。通報があった時点で家庭教師のアカウントを停止させたという。

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ストーカー被害などのおそれも