「1年後の自分」へ手紙を書くことの心理効果とは?
「1年後の自分」へ手紙を書くことの心理効果とは?

 うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』も絶賛発売中です。ぜひご覧ください。

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 ベストセラー『神との対話』シリーズの著者ニール・ドナルド・ウォルシュの名言に、

「おおぜいのひとが、あなたは昨日のあなただと考えたがるだろう。だが、あなたは瞬間に生きればいい。現在の瞬間に、新しい自己を創造すればいい」

 というものがあります。

 1月1日は一年のスタートライン、多くの人が彼の言葉のように心機一転、12月31日までの自分から気持ちを切り替え、新しい自分になろうとします。そして、「今年はこんなことをがんばろう」と意気込み、新年の抱負を立てます。

■目標は具体的に。日にちに落とし込む

 しかしどうしたことか、目標を立てても達成せず、半月もたてば内容さえ忘れてしまう人も、かなり多い気がします。

 かくいう私も、残念なことにその中の一人。昨年の抱負が、さっぱり思い出せません。下手をすれば、今年も昨年と同じ抱負を掲げてしまうような気さえしています。

 そこで、新年の抱負を現実のものとするためにはどうすればいいのか。私の周囲にいる、新しく事業を起こした起業家や、会社の売り上げ目標を達成している経営者など、決めたことを実行するのに長けている人たちに、ポイントを聞いてみました。

 彼らの話の中で特に多かったアドバイスが、「目標を具体的にして、日にちに落とし込め」というものでした。

 たとえば、「1年間で本を100冊読む」にしても、どんな種類の本を読み進めていくのか、ビジネス系か、小説か、昔からあるベストセラー本か、具体的な方向性を決めます。

 そして、月に何冊、何曜日に何冊読むのか、読む時間帯はいつか。読む本は買うのか、読み放題のアプリを登録するのか、図書館で借りるのか。目標達成のために必要なもの・行動は何か、何日から始めて何日までにどんなことをするのか、等々。どんどん細かく目標を刻んでいくのです。

 そして最終的には、「今日は何をすべきか」まで落とし込みます。すると、毎日の行動が変わってくるのだそうです。

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杉山奈津子

杉山奈津子

杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など。ツイッターのアカウントは@suginat

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