多くの人が新型コロナウイルスのワクチン接種1、2回目を終え、次は3回目接種という状況になってきました。気になるのは、やはり副反応。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師が、3回目接種前に知っておくべき皮膚の副反応について解説します。

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 新型コロナワクチン3回目の接種が始まりました。2021年12月半ば現在、3回目接種の対象は、以下を全て満たす人になります。

 医療従事者はすでに3回目の接種が始まっています。私は2回目の接種が4月後半であったため、3回目の接種ができるのが2022年に入ってからになりそうです。

 さて、これまでコロナワクチン2回接種が進んだ状況下で、皮膚への副反応がいくつか出ることがわかってきました。コロナが流行したときにも言われたことですが、正しく恐れるという意味では、ワクチンを過剰に怖がる必要はないと思います。しかし、副反応を知らされずに接種を受けるのも違うのではないかと個人的には考えています。今回は、3回目の接種前に知っておくべき皮膚の副反応についてまとめたいと思います。

 コロナワクチンによる皮膚障害で最も有名になったのがモデルナアームと呼ばれるものでしょう。コロナワクチン3社(モデルナ、ファイザー、アストラゼネカ)の中でモデルナ製のワクチン(mRNA-1273)で約70%で発症するためにモデルナアームと呼ばれるようになりました。しかし、他社のワクチンでも注射部位に局所反応は起きるため世界的にはCOVIDアームとも呼ばれます。1回目のワクチン接種後、平均7日で症状出現のピークがあり、2回目のワクチン接種後では1、2日目に局所反応が出現します。抗アレルギー薬内服とステロイド外用剤で改善することが多いですが、脇の下のリンパ節が腫れるケースもあり治療期間が長引いた患者さんもいました。

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大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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