コロナワクチン3回目接種前に知っておきたい皮膚の副反応 皮膚科医が解説

現役皮膚科医がつづる “患者さんと一緒に考えたいこと、伝えたいこと”

ヘルス

2021/12/24 07:00

※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 じんま疹もコロナワクチンで誘導される皮膚障害として報告されています。35.6%が難治性のじんま疹であったとする報告もあり、私たちの病院でも治療に苦労した患者さんを経験しました。

 コロナワクチンによるヘルペスウイルスの再活性化も報告されています。ワクチン接種後の13.8%の人が単純ヘルペスか帯状疱疹を副反応として経験しており、とくに帯状疱疹が10.1%と高値だったようです。一方、単純ヘルペスの再活性化が3.7%程度と低いですがこれは病院への受診率の違いと考えられています。一般的に帯状疱疹は病院に受診し治療を受けることが多いですが、単純ヘルペスは病院に行かず自然に治るのを待つ患者さんも一定数いるため数値に正しく反映されないのではないかと考えられています。

 その他のコロナワクチンによる皮膚障害として、麻疹のような発疹、水ぼうそうのような発疹、皮膚の細かな内出血なども報告されています。

 帯状疱疹に関しては、アメリカの予防接種安全性監視システムVAERSにも記録されています。しかし、帯状疱疹は高齢者に頻度の高い疾患であるため、コロナワクチンとの関連性は偶然である可能性も指摘されています。また、報告された患者さんの多くは、悪性腫瘍や免疫抑制治療など、帯状疱疹の増悪の原因となりうる他の理由を持っていました。

 以上のように、これらがすべてコロナワクチンの影響によるものかどうか、専門家の中でも意見が分かれているところです。論文の中にはコロナワクチン以外の原因や自然発症したケースも含まれている可能性もあり、ここは私たち医療従事者が早急に解析していくべき問題だと思います。

 厚生労働省の報告では、ファイザー社ワクチンの副反応は初回接種に比べ3回目でも同様の発現傾向のようです。注射部位やリンパ節の腫れる割合は若干増加しますが、ほとんどの場合は軽症です。今後は変異株の毒性とワクチンによる副反応の出現率や重症度を天秤にかけ、適宜ブースター接種について議論していく必要があるのではないでしょうか。

参考資料
1. Vaccine against SARS-CoV-2. N. Engl. J. Med. 384, 1273-1277 (2021).
2. Catala, A., et al. Cutaneous reactions after SARS-CoV-2 vaccination: a cross-sectional Spanish nationwide study of 405 cases. Br. J. Dermatol. (2021).
3. Alpalhao, M. & Filipe, P. Herpes Zoster following SARS-CoV-2 vaccination - a series of four cases. J. Eur. Acad. Dermatol. Venereol. 35, e750-e752 (2021).
4. https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0101.html
大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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