今年7月に国内FA権を取得。各球団の注目度が高いのは年俸も影響している。2018、19年に防御率が悪化して登板数を減らしたことで大幅減俸し、今季の推定は年俸4200万円だ。

「あくまで推定の年俸だが、正直安すぎる。又吉ほどのクオリティーを持ったリリーバーはなかなかいない。大げさでなく、FA宣言すれば対戦したセリーグの5球団が獲得に名乗りを上げても不思議でないぐらい。現代野球は先発と同じぐらいセットアッパーが重要な役割を占め、その存在価値が高まっている。年俸も考慮に入れると又吉は今年のFA選手で一番人気ではないでしょうか」(スポーツ紙記者)

 今季リーグ優勝を飾ったヤクルトは日本記録のシーズン50ホールドをマークした清水昇、今野龍太、石山泰稚、守護神・マクガフと救援陣の活躍がリーグ優勝の原動力となった。ヤクルトの今季の救援陣はリーグ2位の防御率3.25。これを上回る救援陣が中日でリーグトップの防御率2.92。又吉はチーム最多の66試合登板で、「勝利の方程式」に不可欠な存在として稼働した。

 立浪和義新監督が就任した中日も当然慰留に努めているが、FA権は野球人生でつかみ取った貴重な権利だ。又吉の決断が注目される。(牧忠則)