巨人の石井琢朗コーチ(c)朝日新聞社
巨人の石井琢朗コーチ(c)朝日新聞社

 各球団で来季に向け、コーチングスタッフの準備が進んでいる。

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 立浪和義新監督が就任する中日は深刻な貧打解消へ、中村紀洋、森野将彦両氏が打撃コーチに就任するとみられる。下位に沈んだ西武は巻き返しへ、松井稼頭央2軍監督がヘッドコーチに抜擢されることが報じられた。そして、シーズン終盤の大失速でリーグ3連覇を逃した巨人・原辰徳監督は複数年契約を念頭に来季以降も続投へ。報道によると、山口寿一オーナーが原監督、元木大介ヘッドコーチ、阿部慎之助1軍作戦コーチの名前を挙げてチーム再建の期待を込めたという。

 その中で、去就が注目されているのが、巨人・石井琢朗3軍コーチだ。現役時代は横浜(現DeNA)で俊足巧打のリードオフマンとして、1998年に球団史上38年ぶり2度目の日本一に貢献。2度の最多安打、4度の盗塁王を獲得し、通算2432安打を積み上げた。遊撃手で1765試合出場はNPB史上最多記録だ。広島で現役引退すると、指導者として丸佳浩(現巨人)、菊池涼介、鈴木誠也、田中広輔らの育成に携わった。ヤクルトでも村上宗隆の指導に当たるなどその手腕に定評があり、20年から巨人の1軍野手総合コーチに就任。当時打撃不振で引退危機だった中島宏之と打撃フォーム改造に取り組み、復活を支えるなど選手たちの人望は厚かった。

「厳しさの中に愛情がある指導ですね。理路整然と説明するので選手も納得して取り組める。指導法の引き出しも多いですが、『合わなかったらやらなくていい』と決して強制することはない。石井コーチの能力で素質が開花した選手は数多いです」(在京球団の選手)

 名指導者として球界内で評価が高かったが、今季は東京五輪期間中に開催された8月のエキシビションマッチからベンチで姿が見られなくなり、シーズン終盤の10月5日に3軍コーチへの配置転換が発表された。他球団の間で「何が起きたの?」と話題に。奇しくも配置転換を行った同日から巨人は2つの引き分けを挟み、10連敗を喫した。

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