一方、J2の上位2チームが自動昇格する「J1昇格争い」は、早くも結果が見え始めている。現在、全42節中33節を終え、首位が磐田(勝点72、得失点差+27)で2位が京都(勝点70、得失点差+25)。3位以下が、長崎(勝点61、得失点差+16)、新潟(勝点60、得失点差+23)、甲府(勝点60、得失点差+21)であり、残り9試合ではあるが、磐田&京都の2強で“ほぼ決まり”の状況となっている。

 2シーズンぶりのJ1復帰を目指す磐田は、鈴木政一監督の下で攻守に連動したアグレッシブなサッカーを目指し、序盤こそ苦しんだが、5月から7月にかけて8戦8勝の快進撃を見せると、8月以降も7勝3分で10戦負けなしを継続中。中盤でレジェンドMF遠藤保仁がゲームをコントロールし、最前線では優良助っ人FWルキアンが得点源だけでなくチャンスメークとしても機能し、チームの完成度は非常に高いものになっている。

 2010年シーズン以来のJ1復帰を目指す京都も、エースFWピーター・ウタカを筆頭に高い個人能力を持つ選手が揃い、4月から6月にかけで15戦無敗(11勝4分)を記録。リーグ最少の27失点(33試合)の堅守もあり、安定感抜群の戦いを続けた。昨年からサッカー専用の新競技場サンガスタジアムを本拠地として使用しており、新時代到来への機運が高まっている状態。過去に何度も昇格と降格を繰り返してきた歴史があるが、今度こそJ1定着が叶う予感を漂わせている。

 J1参入プレーオフは行われず、今季の昇格は上位2チームのみ。磐田対京都の直接対決が11月7日の第38節に組まれているが、そこでJ1昇格が決まる可能性がある。例えそこで敗れたとしても、これまでの試合内容、保有戦力を見る限り、大きく調子を崩すことは考えいくい。最終節までもつれ込みそうなJ1残留争いを横目に、J1昇格は早めに、このまますんなりと決まりそうだ。