しゅんPさんに切実な“不安”を打ち明けたFUJIWARAの藤本敏史さん(c)朝日新聞社
しゅんPさんに切実な“不安”を打ち明けたFUJIWARAの藤本敏史さん(c)朝日新聞社

――実際に従事してみて、周りの反応はいかがでしたか。

(接種会場では)売れている芸人さんや、仲のいい先輩・後輩もいました。僕が参加することは事前にネットニュースで出ていたものの、知らなかった人は、僕がいて驚いていましたね。平成ノブシコブシの吉村さんも、問診で僕を見て「コントだろ(笑)」と言っていました。有名芸人さんだと、今田耕司さんや、品川庄司の品川(祐)さん、FUJIWARAのお二人も来ていました。フジモンさんは、「しゅんPやん」と言って周囲に騒ぎ立ててくださいました(笑)。問診で不安なこととかありますか?って聞いたら「今後の芸人人生不安やわ」って言っていましたね。

――医師兼芸人の立場で接種にあたることで、感じられたメリットはありましたか。

普通の医者だったら芸人特有の状況がわからず、込み入った相談がしづらい部分もあると思います。僕は芸人でもあるので、「芸人の仕事内容を知っているから、そこはちょっと安心する」と言ってくれた方がいました。実際、副反応について「翌日に営業があるけど大丈夫か」「めっちゃ身体張るネタをやるけど大丈夫か」「めっちゃビンタするねんけどええんかな」といったように、芸人ならではの込み入った事情を相談してくれる方もいました。なかには打つのをためらっていた人がいたんですけど、顔見知りの僕がいるなら受けてみようかなと思って来てくれた方もいたみたいです。

職業病なのか、フジモンさんみたいにボケてくる方はけっこういましたが、芸人は根がまじめな人や、不安を抱え込むタイプの人が意外と多い。「副反応は大丈夫なのか」「仕事に影響を及ぼさないか」とナーバスに捉えている人もけっこういました。僕はリスクが少ないことを説明しますが、本人の意思を尊重するようにしています。中には副反応への不安から、接種を見合わせた人もいました。

――問診に来た芸人は、先輩が多かったのでしょうか。

僕の年次ですと、接種を受けに来る人は後輩よりも先輩のほうが多かったです。大物芸人さんもいましたし、岡本(昭彦)社長もいらしていましたね。ダウンタウンの浜田さんからは副反応についていくつか質問され、どんな大物芸人さんでも心配しているんだなと感じました。

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最初は緊張しました…