――芸人としての経験が、医療の現場で役立ったと感じることはありますか。

芸人の仕事でコミュニケーション能力は身に付いたのかなと思います。芸人の経験が無かったら、僕は声が小さくてうまくコミュニケーションが取れないドクターだったと思うし、患者さんと楽しく話せなかったと思う。

それに、芸人としての僕を知ってくれている患者さんは、初診でも気軽に話してくれる気がしています。患者さんのなかには、診察室に「今日もよろしくおねがいしまシュ!」と僕のギャグを言って入ってきたりボケてきたりする人もいます。そういうやりとりが良いのか悪いのかわからないですけど、明るいです。

あとは、芸人って、お客さん相手に笑ってもらう立場なので、常に謙遜することが自然と身に付く。患者さんに偉そうな態度をとる医者にならなくて済んだのかなと思います。

――今後もお笑いと医師の両立を続ける予定でしょうか?

そうですね。今後もお笑いと医師の二本でやっていきたいです。医療においては難しい言葉が使われがちなので、専門家と一般の方々の間の立ち位置で、わかりやすく翻訳するような役割ができたらいいなと思います。

それに、医師としての診察時間で伝えられる情報は限られているので、YouTubeなどで補足的な情報を届けていきたいです。

――コロナ禍で多くの人が不安を抱えるような状況が続いています。医師としてメッセージがあれば。

感染予防はとにかく基本が大事。僕がコロナ対策としてやっているのは、マスクや消毒のような基本的なことです。睡眠もちゃんととる。夜は飲みに行ったりしない。特別なことはしていなくて、皆さんがやっているようなことを徹底しているだけです。

完全に元の世界に戻るというのは難しいですけど、自分たちにできることをやっていけば、明るい楽しい未来が待っているはず。頑張っていきましょうと言いたいです!

(構成/AERA dot.編集部・飯塚大和)