元阪神ムーアの涙、Aロッドとの“いざこざ”…マック鈴木の「過酷」だった米国時代

マック鈴木

2021/10/07 18:00

メジャーではマリナーズなどでプレーしたマック鈴木(写真/gettyimages)
メジャーではマリナーズなどでプレーしたマック鈴木(写真/gettyimages)

「マック」鈴木誠。

 10代からスタートした米国での野球人生はサバイバルの日々。目の前の勝負を勝ち抜かなければ自らの居場所がなくなってしまう。そこには信じられないほどの過酷経験があった。実際に多くのことを経験したマックだからこそ感じる日本球界への思いもある。

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◆「2A以降に進むには経験値が必要。ムーア(元阪神)もカベにぶつかって泣いていた」

 マックのプロ野球人生は16歳で単身渡米した時からスタートした。独立リーグの球団職員兼練習生として球場住み込みからの第一歩。翌年にはメジャー傘下のマイナーチームへ入団、結果を積み重ねてメジャーリーグまでたどり着いた。ルーキーから3Aまですべてのカテゴリーで投げ、それぞれの違いに戸惑いながらも適応してきた。様々な選手と接することでメジャーに昇格するために必要なことも学ぶことができた。遠回りに感じるが経験値を高めることが実はメジャー昇格への最短距離だという。

「経験という言葉をよく聞きますが、口だけでなく本当に重要なもの。例えばケガもなく元気な投手がドラフト上位指名で入ってくる。気持ち良く投げてルーキーや1Aでは完璧に抑えても2Aではポンポン打たれる。上のレベルに行くには制球力と駆け引きが必要となるが、これは経験を積むことで覚えられる。1Aまではストライクが5割くらいの荒削りでも良い。でも2A以降になるとメジャーリーガーの縮小版がたくさんいる。打者は選球眼が良くて振り回すだけではないが守備や足に問題がある。投手もストライクの出し入れはできるけど球に少し力がない。そこから1つ抜けることができればメジャーに行ける」

「2Aから先には3Aやメジャーに上がれない飛び抜けた才能の持ち主や、野球の上手いおじさんたちがたくさんいる。日本でなら助っ人外国人として活躍できるのに声がかからず米国でプレーしている選手もいる。よほど突出していないと2Aから先には進めない。例えば、阪神などで投げたトレイ・ムーアとは一緒にプレーした。シアトルのハイAで14勝してマイナーで表彰されたが、2Aでは抑えられなくて頭を抱えていた。家族もいたから本人の中ではトントンとメジャーまで行きたかったはず。1A行きを通告され泣きながらチームを去って行ったのを覚えている。日本で活躍したのも納得できる好投手だった」

 ムーアは95年リバーサイド・パイロッツ(1A)で24試合に登板して14勝6敗、防御率3.09を記録。翌96年ポートシティ・ルースターズ(2A)に昇格したが11試合の登板で1勝6敗、防御率7.71と結果を出せなかった。マックはこの時期をチームメイトとして目の当たりにしている。その後02年から04年までの阪神、オリックスで3年間プレーし、64試合に登板して26勝23敗、防御率4.28をマーク。阪神では02年から2年連続で10勝を挙げ、03年のリーグ優勝に貢献したことを覚えているファンも多いだろう。

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Aロッドへの故意死球

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