【アンケート結果】まだ「接種を受けていない」が7割以上だった
【アンケート結果】まだ「接種を受けていない」が7割以上だった

「そもそも不妊になってしまう女性は一定数いますので、ワクチンとの関連を証明するには何年も追跡調査をし、ワクチンを打った人での不妊が、ワクチンを打たなくても不妊になった人よりも多いかどうかというデータを比較しなくてはいけません。今すぐに証明できない問題に対し、もっともらしく『不妊になる』と吹聴しているのは大きな問題です。また、男性不妊に関しては、新型コロナにかかった男性の精子の数が減り、運動能力が落ちるというデータがありますが、ワクチンを接種してもそんなことは起こらないことがはっきり示されています。不妊を心配するなら、コロナにかからないようワクチンを接種すべきです」

 また、ワクチン接種で妊婦が流産をする可能性、胎児にトラブルが起こる可能性については、既に否定するデータが示されているという。

「妊娠には一定の確率で流産が起こりますし、一定の割合で胎児に生まれつきのトラブルが起こります。既に数万人規模で調査が行われましたが、その割合がワクチンを打ったことで増えたというデータは全くありません。また、妊婦が感染すると、本人も重症化の恐れがあるし、早産しやすくなることにより胎児にも障害が生じる恐れがあります。ワクチン接種は、胎児のためにも大切です」

■子ども本人の意思を尊重すべき

「ワクチンを受けさせるかどうか決めかねている」という人の中には、「本人がネットの悪い噂を見て、接種に対して乗り気ではない」(高3男子の父)、「きちんとした情報や子どもへの理解を深める手段があれば教えてほしい」(高1女子の父)という悩みもあった。森内医師はこう助言する。

「もし、子どもが誤った情報をもとに判断をしているのであれば、それはワクチンに限らず、これからの情報社会を生きていくためのリテラシーの問題です。ワクチンであれば厚生労働省のサイトや、医師などの専門家が運営する『こびナビ』というサイトなどで正しい情報が発信されているので、そういった情報源を使うことを教え、よく話し合ってください」

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不安や恐れが引き起こす「副反応」もある