東京ドームでの練習後、握手して記念撮影に応じる中田翔(右)と原辰徳監督(C)朝日新聞社
東京ドームでの練習後、握手して記念撮影に応じる中田翔(右)と原辰徳監督(C)朝日新聞社

「今回、本当にみなさんに迷惑をかけてしまったこと本当に反省しています。(被害選手)本人ももちろんそうですし、ファンのみなさんに対しても裏切ってしまったということに関してすごく後悔だったりすごく反省しています。すみませんでした」

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 黒髪、ヒゲをそり、スーツ姿の中田翔が深々と頭を下げた。入団会見で謝罪する異例の光景。日本ハムで暴行事件により無期限の出場停止処分を受けた中田が巨人への無償トレードが両球団から発表された。

「原辰徳監督でなければ実現できなかったトレードでしょう。中田は打点王を3度獲得するなど右の大砲としては大きな魅力がある。戦力面で言えば獲得を考えた球団も複数ありましたが、暴行事件のイメージがあまりにも悪かった。日本ハムもプレーさせるのが困難な状況で救いの手を差し伸べたのが巨人でした。原監督は桑田真澄投手チーフコーチ補佐を15年ぶりに復帰させたように、良い意味で『球界の固定観念』に縛られない。巨人だけでなく、球界全体の発展を考えた時に、中田翔という野球人がこのまま消えてしまうのを危惧したのでしょう。もちろん、批判は覚悟です。同じ一塁には中島宏之、ウィーラーもいるし、決して中田にチャンスが多いわけではない。チームも優勝争いをしていますし、復調をゆっくり待っていられないのが現実です」(スポーツ紙デスク)

 今季は打撃不振と故障が重なり、打率.193、4本塁打、13打点と振るわなかったが、昨季は自己最多の31本塁打をマークし、108打点で打点王を獲得するなど実績は十分。ただその潜在能力をフルに発揮していたかと言うと疑問が残る。スランプに入ると長く、凡打するとバットをグラウンドに叩きつけていた。言葉に語弊があるかもしれないが、日本ハム時代は自由気ままにプレーができた。実績を残しているため注意されることが少なくなり、後輩に対するいじりも愛情表現のはずが度を越えていた。

 巨人ではそういった行動は当然許されない。

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「巨人では特別扱いなし」で期待の声も