今季楽天に復帰した田中将大は、シーズンオフ最大の話題となったが、田中も高校時代は甲子園で活躍した選手だ。

「世間が注目するためには様々な要素が必要だが、甲子園関連はかなりのウエイトを占める。田中(駒大苫小牧)と斎藤佑樹(日本ハム/早稲田実業)の投げ合いがいまだに語られるのがその証拠。今はチームが勝つだけで人気が出る時代ではない。巨人が全国的に注目を集め人気を取り戻すには甲子園のスター獲得が手っ取り早い方法」(関東地区テレビ局関係者)

「客寄せパンダはいらない」と言う声も理解できる。とはいえ、成長を見守りたい、応援したいと思われる選手を獲得することはチームにとっては非常に重要なことだ。かつて不人気チームだった日本ハムは北海道の移転や、新庄剛志の話題性を生かしたパフォーマンスなどで人気を得たが、ダルビッシュ有(現パドレス)、中田翔大谷翔平(現エンゼルス)ら甲子園のスター選手を次々に獲得してきたことも、チームの注目度を高めるのに大きな役割を果たしたのは間違いない。

 最近では巨人に頼ることなくプロ野球界を盛り上げようという機運もあるが、巨人の注目度の大きさはいまだ絶大。球界の盟主、巨人の人気が高まることで、ライバルの阪神や他球団の動向などにもより視線が注がれる。ドラフトは決して人気選手を獲ることだけが目的ではないが、かつての松井のように甲子園のスターが巨人に入団し、球界の顔に成長していく姿を見守りたいというファンも多いのではないか。