甲子園のスターから巨人の主力選手となった松井秀喜 (c)朝日新聞社
甲子園のスターから巨人の主力選手となった松井秀喜 (c)朝日新聞社

 かつてのような“巨人人気”がなくなったと言われて久しい。

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 昨シーズンにはリーグ2連覇を達成するなど実力的には問題ないのだが、ソフトバンクに2年連続の4連敗を喫した日本シリーズ以外はいまいち注目度が上がってこない。人気復活の鍵を握るのは何か……。その一つはドラフト戦略であり、甲子園を席巻した高校球界のスター獲得だという声がある。

 今季は開幕から宿敵・阪神の独走を許し、6月18日には今季最大の8ゲーム差が開いた。だが、交流戦後から盛り返しはじめ、現在はゲーム差1.5にまで詰め寄っている。経験豊富な原辰徳監督のもと、今季もチームは間違いなく優勝争いに加わってくるだろう。

「阪神は開幕から投打がうまく噛み合っている。佐藤輝明という新人が予想以上の活躍をしているのも大きい。しかし巨人も戦力が揃えば大丈夫。エース菅野智之や丸佳浩が復調すれば力的に問題はない。心配なのは調子が良い時の阪神ファンの全国的な盛り上がり。やはりファンの力は大きい。巨人が勝ってもあそこまでは盛り上がらない」(巨人OB)

 リーグでの戦いでは阪神を追い抜く勢いを見せている巨人だが、先日発表されたオールスターファン投票の結果では阪神に押され、03年以来18年ぶりにファン投票での選出はゼロに終わった。今季はここまで目立った活躍をしている選手がいないと言ってしまえばそれまでだが、全国的に人気がある選手が少ないというもの原因だろう。

 今回最多の7人がファン投票で選ばれた阪神では佐藤や、坂本勇人(巨人)を抑えて遊撃手部門でトップとなった中野拓夢らルーキーの存在が目を引くが、甲子園のスターだった若手選手の注目度は彼らに負けていない。

「チーム内では高校BIG4と呼ばれプロ入りした西純也(創志学園)、及川雅貴(横浜)の人気が凄い。名前がコールされた時の盛り上がりは佐藤と変わらない。他球団もそうですが、高校野球、甲子園で活躍した選手は注目される。野球ファン以外でも名前を聞いたことがあるからです。2人が一軍にいることで阪神に興味を持ってくれた人もいるはず。甲子園大会は世間に対してインパクトがある」(阪神担当記者)

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甲子園のスター選手たちの注目度は抜群