セ・リーグが“優位に立つ日”は来るのか? 今年の交流戦で感じた状況の「変化」

2021/06/18 10:00

 野手でもう一つ目立ったのが外国人選手の差だ。交流戦の規定打席に到達した外国人選手の数はセ・リーグが9人を数えたのに対して、パ・リーグはわずかに3人となっている。成績を見てもセ・リーグではビシエド(中日)が4割を超える打率を残して首位打者に輝き、オースティン(DeNA)、ソト(DeNA)、サンズ(阪神)、サンタナ(ヤクルト)、オスナ(ヤクルト)も打率3割をクリア。来日6年目のビシエドから新外国人のサンタナ、オスナと在籍年数もバリエーションに富んでいる。

 一方のパ・リーグの顔ぶれを見てみるとレアード(ロッテ)は見事な成績を残したが、来日1年目の助っ人では、交流戦で規定打席に到達した選手は1人もいなかった。外国人選手の補強という点でもパ・リーグの球団が苦労しているのがよく分かる結果となっている。

 また、投手成績を見てみるとルーキーの伊藤大海(日本ハム)、高校卒2年目の宮城大弥(オリックス)が見事な成績を残し、リリーフでは平良海馬(西武)がフル回転の活躍を見せるなどパ・リーグの若手の方が目立つ結果となったが、絶対数ではセ・リーグの野手ほどの勢いは感じられなかった。

 そしてパ・リーグでもうひとつ気がかりなのが王者ソフトバンクに元気がないという点だ。千賀滉大とグラシアルが故障で離脱し、モイネロとデスパイネも東京五輪予選によって不在だったということはあるが、その穴を埋めるような新戦力の台頭が今のところ見られない。

 投手では新加入のマルティネス、野手では若手の三森大貴がわずかに目立つ程度である。昨年もシーズン終盤に驚異的な勝率で巻き返しているだけにこのまま低迷が続くとは考えづらいが、これまで絶対的な強さを誇っていた交流戦での失速は大きな誤算である。

 冒頭でも触れたようにセ・リーグが1つ勝ち越しただけで長年のパ・リーグ優位が崩れたわけではないが、変化の兆しが見えてきたことは確かである。伊藤、宮城、早川隆久(楽天)など投手では楽しみな若手は多いが、野手にもパ・リーグ全体に勢いを与えるような若手が台頭してくることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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