9人をピックアップしてみたが、中でもずば抜けた実績を誇るのがジョーンズ(オリックス)だ。外野手としてゴールドグラブ賞4回受賞し、オールスターにも5回選出。打率は3割を超えたことはなかったが2011年からは7年連続で25本塁打以上を放っており、長打力と守備力を備えた外野手として長くオリオールズで活躍した。

 しかし来日1年目の昨年はキャンプでは上々の評判だったものの、コロナ禍で開幕が遅れると明らかにウエイトオーバーとなり緩慢な守備を連発。期待された打撃でも二桁ホームランはクリアしたものの、中軸として十分な働きを果たすことはできなかった。2年契約ということもあって今年も残留しているが、今のところ昨年を更に下回る成績となっている。ここからよほどの活躍を見せなければ、今季限りでの退団が濃厚だろう。

 年俸面でジョーンズに次ぐ高額で入団したのがロサリオ(阪神)だ。メジャーでの成績はそこまで突出していないが、韓国での活躍が評価されての来日だった。高い期待を受けて開幕から4番で起用されたものの、変化球への対応力が低く低迷。夏場以降は二軍でプレーすることも増え、わずか8本塁打という数字に終わり1年で退団となっている。年齢的な若さはあったものの、日本の野球に対応できなかったことが大きな誤算だった。

 野手に比べて投手は大物が来日するケースが少ないが、過去5年間ではジー(中日)とムーア(ソフトバンク)がメジャー通算50勝以上の成績を残している。しかしジーは4試合に登板した後に血行障害を発症して帰国。結局そのまま日本に戻ることなく、1勝も挙げることができずに退団となった。ムーアは6勝をマークして防御率も2点台とまずまずの成績を残したが、1年限りで退団しており高額な年俸を考えると成功とは言いづらい。

 改めて見てみると9人中7人が1年で日本を去っており、高い期待に応えることができた例は皆無と言っても良いだろう。原因として考えられるのはまず年齢からくる衰えだ。特にジョーンズとエスコバー(ヤクルト)は守備の名手として知られた選手だったが、全盛期と比べると明らかに動きが悪くなっていたことは間違いない。

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米国での実績はあてにならない?