「イチロー(マリナーズ他)ほどではないが、似たようなタイプと期待された。俊足で、外野守備は上手いので(その部分では)戦力にはなっているが、打撃が弱すぎる。高額契約なので起用したいところだが、チームの勝利を考えれば、余程の結果を出さなければバックアップ要員となる。筒香同様リリースされる可能性もある」(スポーツ新聞MLB担当記者)

 00年代には日本人外野手の評価が高まった。イチローはメジャー殿堂入りが確実視されるほどの活躍をし、松井秀喜(ヤンキース他)は09年ワールドシリーズMVP獲得などでニューヨークのレジェンドとなった。その他にも新庄剛志(メッツ他)、田口壮(カージナルス他)、福留孝介(カブス他)は大活躍とまではいかないが、それなりの結果を残した。

 それまでは野茂英雄(ドジャーズ他)らの活躍で投手の評価は高かったが、「野手もメジャーでやれる」という信頼を勝ち取った。

「松井稼頭央(メッツ他)などが苦しんだ内野手とは対照的に、外野手は結果を残す選手が多かった。イチローや松井ほどではなくとも、即戦力と考え獲得する球団も現れた。期待値が高い分、契約内容も良くなった。しかし逆を言えばハードルが高くなり、相応の結果が求められる。ビジネスとして当然だが、使えないと判断された選手への対応も早くなった」(エージェント会社関係者)

「内野手の二遊間などは、中南米系のような桁外れの身体能力が攻守に必要。外野手は日本人選手のような技術、俊敏性などがあれば守備でも戦力となれる。問題は打撃だが、筒香は松井的なパワー系、秋山はイチロー的なスキル系として期待されていた。しかし2人ともメジャーレベルには達していなかった」(MLBアジア地区担当スカウト)

 昔とは年俸の水準が違うとはいえ、筒香や秋山の契約内容はイチロー、松井の初年度と比べても遜色はない。しかし、グラウンドではお金に見合うだけの価値を見せられていない。今後、メジャーに挑戦する日本人外野手に対する査定が厳しくなることが予想される。

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最も影響を受けるのは鈴木誠也?