豪華な衣装を着て、馬に乗る場面も多いのですが、そういうなかでお芝居をするとなると、自分が一橋家の当主であるというようなしっかりした気持ちでいようと思っています。そうでないと、まわりのスケール感に負けてしまい、薄っぺらな場面になってしまうと思うんです。セリフも含めて非常に難しいところではありますが、それがやりがいでもありますね。

――共演者の方とのエピソードは。 

平岡円四郎役を演じる堤真一さんとは、以前にも共演したことがありますので、楽しみにしていました。円四郎は慶喜ともっとも近い存在ですので、いまのところ、僕と堤さんが培ってきた関係性が、とてもいい感じに二人の関係に反映しているのではないかと思っています。

 また、父親の徳川斉昭役を演じる竹中直人さんとは初めてなのですが、僕のことを「本当の息子のように思えてきた」と仰っていただいて、とても嬉しかったですね。

 そして、主役の渋沢栄一を演じる吉沢亮くんも初めてですが、とてもピュアな感じのオーラが出ている一方、ものすごい細身でスマートな印象だったのですが、近くで接してみると体幹がしっかりしている感じで、そこからにじみ出る力強さが、栄一にピッタリだと思いますね。

(構成/安田清人 取材日2021年3月)

※インタビューの続きは週刊朝日ムック『歴史道 Vol. 15』に掲載