■安易な使用に警鐘を鳴らす

(4)<体内時計を考慮した場合、就寝前ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用する有効性は根拠に欠けます。産業衛生分野では、日中の仕事は窓ぎわの明るい環境下で行うことが奨められています>

 これはブルーライトが体内時計を制御している、という説に基づくもので、「昼間っから太陽光のブルーライトをカットしてしまったら、夜、眠れなくなるかもしれない、ということです。睡眠障害が起きれば、朝、眠たいし、学校に行っても居眠りしちゃう。体のリズムを崩す恐れがある。子どもの健康にも成長にもよくないですよね」

 一方、世の中にはブルーライトカット眼鏡を愛用している人も大勢いる。大人への悪影響はないのだろうか。

「歳をとると、一定の光の波長をカットした眼鏡を使ったほうが、見え方がよくなるということがざらにあるんです。すべてにおいて不要というわけではありません」

 ただし、ブルーライトさえカットしておけば大丈夫だろうという安易な使用には警鐘を鳴らす。

「ブルーライトカット眼鏡をかけたから、ゲーム機で朝から晩までずっと遊んでいても大丈夫、なんてことは当然ないわけです。目が疲れるので、ブルーライトカット眼鏡を買ってきました、ではなくて、きちんと度数の合った眼鏡を使う、複数の眼鏡を使い分けるなど、重要なことがたくさんあります。それを伝えたくて、今回アナウンスしたのです」

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)