自分が強く希望して習い始めたピアノ教室を嫌がり、ついには「行きたくない!」と言うようになってしまった7歳の女の子。教育家で、見守る子育て研究所所長の小川大介さんに聞くと、「やりたくない」の言葉のウラに隠されたお子さんの真意が見えてきて……。AERA with Kids+の連載「小川大介の『才能が見つかる!』子育て相談」。子どもの習い事への親の対応について聞きました。(聞き手/AERA with Kids+編集長 鈴木顕)

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ピアノを「やりたい」理由もいろいろある

――小学2年生の娘さんを持つお母様からのお悩みです。

【相談内容】

「子どもがピアノをやりたいと何度も言うので習い始めましたが、しばらくすると行きたくないというように。なんとかなだめて連れて行くと、今度は課題曲とまったく関係のない学校でやったピアニカの曲や救急車の音などを弾き始める始末……。課題曲の練習はとても嫌がりますが、学校の学芸会では鉄琴に立候補し、家でも積極的に練習しています。まだ始めて数ヶ月、せっかくなので楽譜が読めるまでは続けたらと思いますが、練習もせず、通わせるのもひと苦労。やめさせたほうがいいのでしょうか?」

【お子さんについての情報】

 好きな遊びはYouTubeなどの動画を見ること、YouTuberの真似をして動画を撮ること。鬼ごっこ、一輪車。公園ではブランコが大好き。字をきれいに書くことも好きで、迷路作りでは大人顔負けの複雑なものを作ります。家族とのゲームでは負けると大泣き。初めての場所はちょっと嫌がるので、行く場所の情報がわかると安心するようです。

 まずこのお子さんのタイプを分析してみると、ブランコ好き、というところから、「視覚=目」をよく使う傾向があるのだろうと推測します。視覚をよく使う子ってブランコ好きなんですよ。ブランコって上がったり下がったりすることで見える景色がダイナミックに変わる、視界の変化がすごく楽しい遊びなんです。また、動画を「撮るのも好き」というところから、体を動かしたり感覚で感じ取ったりする「身体感覚」も非常によく使うタイプのお子さんだと感じます。

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