アポなし接種もOK 世界最速でコロナワクチン接種が進むイスラエルからのリポート (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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アポなし接種もOK 世界最速でコロナワクチン接種が進むイスラエルからのリポート

連載「金閣寺を60回訪れたイスラエル人教授の“ニッポン学”」

ニシム・オトマズキンdot.
新型コロナワクチンの接種を受ける筆者(ニシム・オトマズキン提供)

新型コロナワクチンの接種を受ける筆者(ニシム・オトマズキン提供)

テルアビブのワクチン接種会場(ニシム・オトマズキン提供)

テルアビブのワクチン接種会場(ニシム・オトマズキン提供)

 1カ月ほど前、私はエルサレムの自宅からそれほど遠くない診療所に、ファイザー社の新型コロナワクチンの接種を受けに行きました。そのときの政府のガイドラインでは、ワクチン接種の資格は年齢が50歳以上で、まだ40代後半の私にはワクチンを受ける資格はありませんでした。私が診療所に到着したときはすでに夕方で、私はワクチン管理の30代ぐらいの男性に「まだ50歳に達していないが、予防接種を受けることができるでしょうか」と尋ねました。彼は数秒間私を見た後「OK」と言い、予防接種を受けるために私を案内してくれました。その間彼は、資格がない私がワクチンを受けられる理由は「いくつか予備のワクチンが残っているため」で、「喜んであなたに接種を許可します」と説明してくれました。

 このエピソードは、イスラエル人の国民性とこの国の物事の管理の仕方について多くのことを伝えています。イスラエル人は即興性を好み、柔軟性とルールを曲げる傾向がありますが、新型コロナウイルスのワクチン接種の場合、これが利点になりました。逆に普段ルールを無視することに慣れていない日本では、私のような場合、接種を受けられなかっただろうと思います。

 イスラエルは、新型コロナウイルスのワクチン接種キャンペーンを開始した最初の国の一つであり、開始1カ月後には、イスラエルの人口(約900万人)の約3分の1が、少なくとも1回の接種を受けました。これは世界で最も速い接種スピードです。人々は各都市の診療所、病院、および特別に設けられた指定の公共スペースでワクチンを接種できるようになっています。

 またイスラエルのニュースやソーシャルメディアは、人々にワクチン接種を行うよう呼びかけています。WhatsApp と呼ばれるLINEに似たメッセージアプリには、ワクチンに関する情報が提供され、予定した接種者がやってこずワクチンが余った場合、その日のうちにメッセージで誰でも来られる人に呼びかけます。 また年老いた両親に付き添いワクチン接種会場にやってきた人々にも、彼/彼女が基準を満たす年齢でなくても接種させてくれます。

 イスラエルで迅速なワクチンの接種キャンペーンができたのにはいくつかの理由があります。第一に、その即興的な対応です。困難な状況に直面した場合、日本人はおそらく最初はそれを避ける傾向があるでしょうが、イスラエル人はそれを挑戦と見なします。そしてイスラエル人の即興性がその困難に立ち向かいます。おそらく即興性に関して、イスラエル人は世界一です。イスラエル人は混沌の中で繁栄するため、新しいものを発明し、ルールを回避して動き、解決策を「型破りな」方法で考えます。この点でイスラエル人の動きは素早く、形式を無視し、その困難な状況に対面しつつ、走りながら問題を解決していきます。


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