ヤンキースからFAになっていた田中将大投手(32)が、古巣の楽天に復帰する。シーズン24勝を挙げ、楽天を初の日本一に導いてから8年ぶりとなる日本球界復帰だが、果たしてどれほどの結果を残すことができるのか。不安要素はないのか。元メジャーリーガーが分析した。

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 田中は年俸9億円の2年契約。背番号は「18」に決まった。巨人・菅野智之の8億円を抜き、球界最高年俸となる。

「まず注目したいのは、田中をメジャー方式で『中4日』を基本として登板させるのか、日本球界の主流である中5日、6日にするのか。それによって登板数だけではなく、活躍の土台となる調整法が大きく変わってきます」

 こう話すのは、日本人初の大リーガーでサンフランシスコ・ジャイアンツで投手として活躍した、大リーグ解説者のマッシー村上こと村上雅則氏だ。

 今季の楽天は、昨季最多勝の涌井秀章、則本昂大、岸孝之という右の3本柱に田中が加わる豪華すぎる布陣。ゴールデンルーキーの左腕・早川隆久(早大)もローテーション入りが期待され、そこに塩見貴洋、昨季、先発の一角を担った瀧中瞭太らが控える。

 村上氏は「先発陣だけを見れば楽天は12球団ナンバーワンです。これだけ実績のある投手が4人もそろうことはそうそうありません」としつつ、ある“不安要素”を指摘する。

「先発の数はいるとはいえ、早期のメジャー復帰を考えた場合、『中4日』は貫いた方がいいと思います。日本は登板間隔を長く空け、その間もブルペンなどで投げさせながら調整するのが主流ですが、メジャーは休ませるときは徹底して休ませます。再びメジャーでの活躍を望むなら、田中もむこうでつかんだ調整のペースは崩さない方が良いでしょう。一方で、田中を『中4日』とした場合、他の先発陣との兼ね合いをどうするのか。調整の良しあしで投手の成績は大きく変わるので、元投手でもありメジャー経験もある石井(一久)新監督の手腕が問われます」

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「自分で投球を組み立てられる」