※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 頭痛で何十年も悩んでいるという人は多い。なかでも片頭痛もちの人は、今までの人生のなかでほとんどを頭痛と対峙しながら、仕事に、家事に、育児にと励んできた。片頭痛に悩みながらも、自分で頭痛をコントロールする術を身につけて、片頭痛と付き合いながら日常生活を送っている女性に話を聞いた。

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「私と頭痛の付き合いは長いですよ。10代、中学生の頃からなんです」

 そう話すのは、頭痛歴40年以上の勝島晴美さん(57歳・東京都)。

 勝島さんは、20代で社会人となり結婚。24歳で第1子を出産し、産後2カ月からフルタイムで職場に復帰した。その当時、仕事をしていると、ときどき、目の回りにギザギザが表れて、文字が読めなくなり、市販の鎮痛剤を服用し、しばらくじっとしていると治る、ということがときどきあった。それが、片頭痛で表れる症状である閃輝暗点(せんきあんてん)だと知ったのは、その後だいぶ経ってからだった。30代で2人目の子どもを出産した頃には、症状はさらに悪化していた。片頭痛に悩まされながらも、フルタイムの職場での仕事と家事、育児にと励んでいた。つらい頭痛とはだましだまし付き合っていたという。

「当時は頭痛なんて、病気としては認められていませんでした。自分の片頭痛で、職場に迷惑をかけることに対しては、いつも自分のことを責めていたと思います」

 その後、頭痛と付き合いながら過ごしていた勝島さんだが、50代になった時、管理職に就き、ストレスからか、症状がさらに悪化した。ひどい時にはデスクで意識が飛んでしまうような症状に見舞われたという。

 その後も症状は悪化の一途をたどり、ついに休職を余儀なくされた。自宅療養中にインターネットなどで、より良い治療をいろいろと探しているときに、埼玉精神神経センター・埼玉国際頭痛センターの坂井文彦医師のことを知った。2019年初めに、坂井医師の外来を受診し、併設の頭痛教室にも参加した。

「坂井先生の外来を受診した時に仕事を辞めたいと話しました。すると、先生は、“仕事は辞めないで、頭痛と付き合っていくことを考えましょう”と言いました」
 
 それから勝島さんは、同センターが開催する月1回の頭痛教室、月2回のヨガ教室などに参加しながら、徐々に自分の病状をコントロールする術を身につけていった。

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